第11回 Bambooキネマ倶楽部「ゴッドファーザー」
作品『ゴッドファーザー』1972年米国
「マフィアが殺伐非常な殺しをつづけるシーンに
にぎやかな音楽をつけたらどういうことになるか。
映像と音楽が衝突して共倒れになってしまう。
映像とはまったく異質の音楽をつければ、映像
そのものが浮き彫りにされる。映画音楽の基本で
あるが、作曲家にとっては難しいことらしい….」
これは映画のパンフレットに書かれた一文。
「ゴッドファーザー」の美しくもどこか物悲しい、
あの叙情的でクラシカルな旋律は、ニーノ・ロータの
そういった発想から生まれたのかもしれません。
イタリアやシチリアの伝統的な音楽や旋律も、
見事に融合されています。
ニーノ・ロータは、フェリーニ監督の数々の作品や、
(「道」のジェルソミーナなどが有名)
アラン・ドロン主演の「太陽がいっぱい」
オリビア・ハッセー主演の「ロミオとジュリエット」
その他多くの映画音楽を手がけています。
いずれの音楽も切ないほどに美しい。