『シネマに酔狂』バーテンダーが語る映画とお酒 #23「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
『シネマに酔狂』
バーテンダーが語る映画とお酒 #23「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
〜映画を彩る名脇役たち〜
Bambooキネマ倶楽部の作品に合わせてご紹介した、
映画とお酒にまつわるコラムです。
第23回作品『バック・トゥ・ザ・フューチャー』1985年米国
時空を超えたタイムトラベルの冒険は
PART1〜3にかけて実は多くお酒が登場しています。
PART1では母親がポポフウォッカのロックを。
(18歳の時はポケット瓶のウィスキーを)
食卓にはバドライトやミラーライトの缶ビール、
ミラービールは新型デロリアンの燃料となったり。
PART2では富豪となったビフの豪邸で酒浸りの
母がJ&Bを、他にビーフィーター、サウザ・ゴールド、
アッシャーズ・グリーンストライプ、
オールド・クロウ、バカルディー、ボウモア…
PART3では黎明期のバーボンでドクが卒倒し…
そこで今回も私の独断と偏見でお酒を紹介します。
『バドワイザー』(ビール)
アメリカンビールのイメージといえばこれ。
全シリーズに渡りよくミラービールが登場して
ますが(冷蔵庫から、また燃料になったりと)
以前ファーゴの回でミラーを既に扱ったのと、
ミラーライト、バドライトが国内で終売の為、
バドライトからの流れでバドワイザーをご紹介。
マーティーはダイエットペプシが大のお気に入り、
1985年という時代は健康志向や好み、嗜好の
多様化などで、ダイエット〜、〜ライトと名の
付いた商品が数多く発売されていました。
ビールも例外ではなく様々な銘柄に及びましたが、
現在ではそう、〜ゼロ、ノン〜の時代。。。
こういった商品の立ち位置が逆に中途半端となり、
市場から次第に姿を消すようになりました。
バドワイザーはミズーリ州セントルイスに本社を持ち、
このペールラガーは世界一の販売量を誇ります。
80年代は日本で輸入ビールが多く流通し始めた
時代で、バドやコロナなどが一般的となりました。
プールバーでバドのボトルを飲みながら、また
冷蔵庫を輸入ビールで埋め尽くしてみたりと。。
お洒落をして遊びに出掛ける、その傍らには
必ず何かしらインポートビールがあったものです。
シーンはありませんが、50年代のアメリカの
若者達だってきっと同じ心持ちだったのでしょう。
過去であっても未来であっても、
お酒がある世界で良かった、乾杯!
『アーリータイムス イエローラベル』(バーボン)
これもまたアメリカを代表するバーボン。
PART2で未来からビフを追って過去に遡り、
1955年の「魅惑の深海パーティ」で、
カルバンクラインを探すビフの悪友達が持っていた
酒瓶がこのお酒、アーリータイムズ。
イエローラベルですが現在のデザインとは異なり、
黄色に赤文字のロゴが目を引く旧ラベルの瓶。
「チキショウ、あいつどこへ行きやがった」
と言いながら酒瓶を口へと煽る青春のワンシーン。
正しい高校生はそうでなくてはいけません。
その後マーティーは見事に全ての現象を収めるも、
雷に打たれたデロリアンは何処かへ。。
1860年アメリカのリンカーン大統領が就任した年、
このバーボンが生まれ、禁酒法時代は医師の処方に
よる薬用ウイスキーとして認められて多くの人に
飲まれることが許され広く流通していきました。
初めてのバーボンがこれという人も多いのでは?
関税撤廃とプラザ合意の後、安価になった輸入
ウィスキーの中で、アーリータイムスは日本の
バーボン浸透に一役も二役もかっています。
そうそう、それも80年代のお話で。。
ビフの豪邸で母親が煽っていたJ&Bも捨てがたい….
しかし私がチョイスしたのはアーリータイムス。
なぜならその銘には「TIME」というワードが
含まれているから。。