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映画『素晴らしき哉、人生!』 のウィスキー

『シネマに酔狂』

次回のBambooキネマ倶楽部作品『素晴らしき哉、人生!』
その劇中に登場するウィスキーをご紹介します。

会での実際のご提供はバーボンの『オールド・フォレスター』
ここに話を繋げて行きたいと思います。

扉の写真にあるブラックのラベルに『KING』とあるボトル。

これは作中の重要なバーのシーンで登場します。
あまりに古く実物の入手はほぼ不可能でしょうが、
当時の広告などから『Pre-War」とあり、戦後間も無く
リリースされたウィスキーある事が分かります。

アメリカ国内であっても、戦時中は物資、労働力、燃料など
様々な制約があったので、『Pre-War』というフレーズが、
戦勝から新しい時代へを象徴する意味合いになっています。

『素晴らしき哉、人生!』の公開は戦後翌年の1946年です。
映画も酒も風俗も大衆意識も、次の時代を迎えていく、
正にブランニューなウィスキーが装置されている訳です。

ブレンデッドウィスキーとあるのでスコッチタイプでありましょう、
6年以上熟成のストレートウィスキー40%、グレーンウィスキー60%
他に『レッドラベル』もあった様ですが、銘柄として市場では、
あまり息が長くはなかった様です。

この『KING」ウィスキーはケンタッキー州ルイヴィル、
ブラウン=フォーマン社で作られており、この蒸留所の
フラッグシップの銘柄がストレートバーボンウィスキー、
今回ご紹介する『オールド・フォレスター』であります。

1870年に誕生した『オールド・フォレスター』
それまで樽詰めでの販売が一般的だったバーボンの中で、
初めて瓶詰め、封印を施して販売したと言われています。

名の由来は、当時このボトルを販売したジョージ・ガーヴィン・
ブラウンが、医薬品を販売していた時代のお得意様だった、
ウィリアム・フォレスター医師の名前から採ったと言われています。
販売当初は”Old Forrester”と名字通りのスペルでしたが、
彼が引退すると”Old Forester”とスペルを改めました。

1920年代の禁酒法時代、多くのバーボンが製造禁止になるも、
『オールド・フォレスター』は医薬目的の免許を受け、
製造を続けることに成功しました。
それにより、発売開始から現在まで継続して流通している、
最も古いバーボンと呼ばれています。

そして、発売時期は不明ですがアメリカ国内のみの流通で、
白いラベルとなった『KING』がリリースされています。
復刻では無く内容もブレンデッドからバーボンへと変更されて、
ブラウン=フォーマン社らしい原点回帰となっています。

『素晴らしき哉、人生!』登場の『KING』ウィスキー、
真の正当後継酒はこのお酒に終着となります。
アメリカ土産に、是非手に入れたい一本です。

また近年では、映画『キングスマン』とのコラボなど、
何かと映画と縁の深い『オールド・フォレスター』

クリスマスに『素晴らしき哉、人生!』を観ながらいかが?

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