映画とお酒

『シネマに酔狂』バーテンダーが語る映画とお酒 #1「アンタッチャブル」

『シネマに酔狂』
バーテンダーが語る映画とお酒 #1

〜映画を彩る名脇役たち〜

Bambooキネマ倶楽部の作品に合わせてご紹介した、
映画とお酒にまつわるコラムを始めました。
バーテンダーの経験と視点から悠々と、自適に。
サラッと気楽に読んで頂ければ幸いです。

第一回『アンタッチャブル』1987年米国

『カナディアンクラブ』(カナディアンウィスキー)

カナディアンウィスキーの代表的な銘柄。
当時、密輸された酒の三分の二がカナダの酒、
こいつを闇で売る為に、またそれを何とか阻止する為に、
双方命がけでドンパチなのです。それで物語が作られる。
カナダ側の五大湖沿岸の蒸留所から、湖、橋、
セントローレンス川などを介して大量に流入しました。
禁酒法以前から、軽やかな味わいのカナダ産ウィスキーは
アメリカ人に人気でしたが、禁酒法時代は当然ながら、
廃止後も法によるアメリカ酒造産業の大打撃により、
アメリカのみならず、世界マーケットへと大躍進します。
銃弾で木樽から漏れたウィスキーを、ウォレスが手で受け止めて
こっそり飲んでいた。
破顔したその表情に人間の本性が垣間見えた瞬間でした。

『ジェムソン』(アイリッシュウィスキー)

アイリッシュウィスキーの代表銘柄。
写真のラベルは毎年限定の聖パトリックデー仕様のもの。
ショーン・コネリーが演じたいぶし銀のアイルランド系警官マローン。
仕事から帰宅するとレンジの中に隠してあるウィスキーをチビチビとやっていた。
何をやっても画になる007。
銘柄は不明でしたが、丸瓶であるのと、世界的な展開からみて。
アイルランドはウィスキー製造では最も歴史が古く、スコッチに
対して三回蒸留によるスムースさ、穏やかなスモーキーフレーバー
が特徴です。この時代、スコッチやアイリッシュも海を越えて、
闇酒として大量に港に渡ってきたわけです。
ボトルも味も、、良くも悪くも現代的になっていきますが、
デザインも昔とほぼ変わらず古き良きを保つその気概。

『いつの世も人は酒を飲む、口先では密造酒を非難しながら、
みな飲んでる。ビジネスだよ。』アル・カポネ

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